(自閉症に対する)ドッツカードやフラッシュカードの効果(1)
2歳くらいまで、娘のさやに対してドッツカードやフラッシュカードを見せていました。
その当時は娘に自閉症の診断が出るなんて全く思っていませんでしたが、知識を増やすことで、性格に落ち着きが出るといいなと思ったのです。
グレン・ドーマン氏の書籍を読んで影響を受け、効果があるかわからないけど、ドッツカードやフラッシュカードをやるだけやってみよう!と思いました。
効果がなかったらそれまでだ、というダメもとの気持ちで。
ドッツカードやフラッシュカードと自閉症スペクトラムについて
ドッツカードやフラッシュカードを見せた子供は、自閉症になる可能性が高いというネット上のうわさがありますが、それは正しくはないと思います。
なぜなら、さやは生まれたばかりの赤ちゃんの頃から自閉症の傾向がありました。
ドッツカードやフラッシュカードを見せたのは1歳に近いときで、その前から自閉症の傾向があったとすれば、ドッツカードやフラッシュカードは直接の原因ではないと思うのです。
ちなみに、赤ちゃんのときからあった自閉症的な傾向というのは、刺激に敏感すぎること、睡眠時間が極端に短いこと、抱き方や寝方に執拗なこだわりがあったことです。
さてさて、ドッツカードやフラッシュカードの効果はあるのかというのが人々の一番の関心事項だと思いますが、その答えを、ドッツカードやフラッシュカードが「カメラアイ(映像記憶)」という能力に働きかけることと、自閉症の人にある「抽象化の困難さ」ということから説明したいと思います。
カメラアイ(映像記憶)とドッツ・フラッシュカード
ドッツカードやフラッシュカードは、「カメラアイ(映像記憶)」という能力に働きかけることでカードの知識を増やしていくことが期待されているものです。
カメラアイは誰しもが生まれたときからもっている能力とも言われていますが、先天的なものか、後天的なものかは謎が深まるばかりです。
はじめ、赤ちゃんは言語で思考する能力を持っていませんから、ひらすら映像の記憶を頭の中に貯めこんでいきます。やがて脳が成長してくると、断片的な映像の記憶を関連したものどうし結びつけたり、抽象化してひとまとめにしたり、言語化するような能力が備わってきます。
ドッツカードでは、赤丸の模様が●●●●●と白い紙に印字されていて、それを赤ちゃんもしくは幼児に見せます。そして見せた人は声で「ご」と言います。
赤丸のカードを見せることが所定の期間行われた後に、今度は白い紙に数字の5と印字されたカードを見せ、見せた人は声で「ご」と言います。
これらの一連のことをすることによって、●●●●●が「ご」という音声と結びつき、数字の5と同じであると理解する目論見なわけですが、自閉症の傾向がある私の娘さやにはその目論見は通用しませんでした。
前の記事でも書いていますが、さやには言葉の遅れがありました。見せたものが音声と結びつくような能力があったら言葉は遅れていないはずです。
赤ちゃんの母親というものは、絵本で猫が出てくれば にゃんにゃん と説明し、犬が出てくれば わんわん と説明するようなことを日常的に行っているし、それは私とさやの生活においても普通のことでした。
自閉症はものごとの抽象化に困難がある障害と言われていますが、さやには●●●●●が「ご」という音声で5と表すことを理解するのは難しかったのかもしれません。
では、自閉症の子にはドッツカードやフラッシュカードは効果がないのかと言えば、すべての自閉症の子がそうではないように思います。その点については、また次の記事で。
関連記事(1):(自閉症に対する)ドッツカードやフラッシュカードの効果(2)