(自閉症に対する)ドッツカードやフラッシュカードの効果(2)
前の記事の続きです。
娘のさやには効果のなかったドッツカードやフラッシュカードですが、自閉症の子には効果がないのか?という疑問に以下にお答えします。
わが子にはカメラアイの能力があったかも?
さやは音声とカードの絵を結びつけることはできなかったけれど、カメラアイ(映像記憶)という能力はあったように思います。
まだ1歳くらいの頃、病院へ行って大泣きしたことがありました(注射でなくても、さやは病院で聴診器をあてられるのが嫌いでした)。
病院へ行った数日後に、家から病院までのルート(3kmくらい)を車で通っただけで大泣きします。完璧に同じルートでなくても、そのルートの一部を少し通っただけで泣くのです。
他にも、所用で保育園の一時保育を利用して数時間預けたことがありますが、そのときも大泣きでした。
後にその保育園までの道を一部分だけ通っただけで泣くようなことが度々ありました。
家から保育園は7kmくらいのところにあります。
何を言いたいのかというと、3歳以下の子供が、家から7kmちかくはなれたところまでの道のりを、車窓から見てすべて記憶しているということです。
毎日頻繁に通っている道ならそういうこともあるかもしれませんが、病院も保育園までの道も、日常的に頻繁に通る道とは違うところにあり、病院に続けて通うようなこともなく、保育園にもしょっちゅう預けているわけでもありませんでした。
今思うと、これらはカメラアイ(映像記憶)がなせるワザだったのではないかと思うのです。
白衣を着たお医者さんを見ると泣く子はよくいますが、病院までの道からお医者さんを意識して泣く子というのはそう多くはいないのではないでしょうか。
自閉症スペクトラムの子の中には、テレビCMをテープレコーダーのように再生するような独り言を言い続ける子がいますが、さやにはそういうところは全くありませんでした。
自閉症の症状も様々ですが、自閉症の子には、映像と音声を結びつけることができる子と、そうでない子がいるように思います。
前の記事に、ドッツカードやフラッシュカードを見せた子供は、自閉症になる可能性が高いというネット上のうわさがあると書きましたが、私が思うに、ドッツカードやフラッシュカードの被験者で、効果が表れた子供の中に自閉症の子が多くいたことから、そのようなことが言われるようになったのではないでしょうか。
自閉症の子で、カメラアイを有している子が多くいることはよく知られた話ですが、生まれつき優れたカメラアイの能力を持っていて、なおかつ見た映像を音声と結びつけることができれば、ドッツカードやフラッシュカードは素晴らしい効果を発揮すると思います。
つまり、カメラアイとそれを音声と結びつける能力の有無で、ドッツカードやフラッシュカードの効果のある子とそうでない子がいるというのが私の結論です。
では、自閉症でない定型発達いわゆる「普通の子」に、ドッツカードやフラッシュカードは有効かという疑問が残りますが、それには、自閉症の子と同じように二つの条件が提示できると思います。
ドッツカードやフラッシュカードが有効となるための二つの条件
1, カメラアイ(映像記憶)があること。
2, 目でとらえたことを音声と結びつけることができること。
しかし、上記の条件を満たすかどうかを、ドッツカードやフラッシュカードが推奨される年齢(新生児から開始するのがベストらしいです)で親が把握するのは難しいでしょう。
以下に私の知人のお子さんの例で説明したいと思います。
実は知人のお子さん(定型発達)でドッツカードやフラッシュカードが有効だったお子さんがいるのです。
そのお子さんは、3歳のときに私の目の前でたくさんの種類の国旗カードを出し、国名を当てていました。足し算と引き算が出来るところも見せてもらいました。ドッツカードとフラッシュカードは赤ちゃんのときから見ていたそうです。
その後、幼稚園受験に成功した話を年賀状で知ることとなりました。
また反対に、全く効果がなかったという別の知人の話も聞いたことがあります。年齢相応の能力で、いたって普通のお子さんでした。
ドッツカードやフラッシュカードの効果は、生まれつきの能力に依存している部分も少なくないと思いますが、幼児教育は多角的なアプローチが必要なのかもしれません。
効果がないと思えば、他のアプローチに切り替えればよいだけです。
子育ては何かと仮説検証の繰り返しなのですから。
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