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自閉症スペクトラム児(発達障がい児)がマッチングをすることの意味

      2018/09/02

マッチング

自閉症スペクトラム児(発達障がい児)の中には、言葉の遅れがある子が一定数います。

なぜ言葉が遅れるのでしょうか?

 

何故言葉がなかなか出ないのか?

自閉症スペクトラムの子は、抽象的なことをとらえる力が苦手です。

それゆえに、言葉の遅れのある子は、人が発する声が何かを表しているという認知能力が未発達だったりします。

 

たとえばリンゴの絵があるとして、ヘタがついていて、赤くて丸い実が描かれていても、実物のリンゴと同じであるという認識にはなかなか至らないのです。

「物事を抽象化して、共通性を見出し概念化する」という頭の中での作業が言語の発達には不可欠なのですが、それらのことができないと、

言葉の遅れのメカニズム

上の3つが同じ「リンゴ」と呼ばれるものであることを認知できません。

つまり、言葉の遅れのある自閉症スペクトラムの子には、マッチング課題が不可欠なのです。

私の娘、さやは写真、イラスト、文字のカードを使って、机上でのマッチング課題を3歳から4歳までの間に繰り返しやり、言葉を獲得しました。

以前の記事で、動画や画像でマッチングの具体的な方法を紹介したいと書きましたが、これがなかなか時間のかかる作業で、準備中の段階です。(動画の撮影をしてみたけど、不備がありまくりでアップできません~)

ごめんなさい。

マッチング課題をやる前に、机上で向かい合ってABAなどの課題をするために重要なことについて書きたいと思います。

マッチング課題のやり方

まず、子供と向かい合って課題に取り組む人(セラピストとも言います)は、子供がどんなに指示に従わなくても毅然とした態度でいなければなりません。動じてはいけないのです。

指示に従わない場合は、手添え(プロンプト)をして無理にでも正解させましょう。

ABAには、子供のよい行動を強化する強化子というものが必要です(好子とも言います)。

「すごい!」とか「やったね!」などの短い褒め言葉や手のひらタッチなどが強化子になればよいのですが、まだ認知力が低い子の場合は、食べ物など直接的に欲求を満たすものの方がABAの課題に取り組みやすくなります。

 

食べ物の強化子は何がよい?

食べ物の強化子は、すぐにおなかいっぱいにならない大きさのものがよいです。

言葉や概念の理解が進んでくると、強化子は食べ物でなくても、褒め言葉だけで十分になってきます。

さやの場合、最初はチョコベビーを強化子としていました。粒が小さく、どこでも売っているので手に入りやすいという点でこれにしました。

ABA強化子

カットよっちゃんイカや味付け海苔を小さくカットしたものなどを強化子にしている人もいますし、お子さんの好みと扱いやすさで決めるとよいと思います。

好子 よっちゃんイカ強化子

強化子の食べ物は器に入れたりして、すぐに取り出してあげられるようにします。

ABAの取り組みはテンポのよさも大事なので、強化子や教材をすぐに出せずにもたもたしていると、子供の注意がそれて取り組みがうまくいかないこともあります。

 

そのうち食べ物がなくてもできるようになる?

娘のさやが、褒め言葉のみの強化子で机上の取り組みができるようになったのは、4歳前半でした。

それから今に至るまで、食べ物を強化子としていません。褒め言葉で十分、ABAの取り組みが成立しています。

重度な知的障がいがあったりすると、強化子が食べ物から褒め言葉のみに移行するには、時間がかかるかもしれませんが、繰り返し褒めてあげているうちに、取り組みに食べ物がいらなくなる可能性はゼロではないと思います。

 

できたらすぐに褒めてあげることが大切で、テンポよく、タイミングよくがABAの鉄則です。

 

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