自閉症スペクトラム児(発達障がい児)にマッチング課題で文字を交えることの有効性
2018/09/09
自閉症スペクトラムの子の中には、早くから文字を勝手にどんどん覚えていってしまう子もいますが、娘のさやの場合はそのような様子は全くなかったので、3歳からはじめたマッチングで1年ぐらいかけて平仮名50音の習得をしました。
3歳から平仮名を覚えさせることの療育的意味
「3歳から平仮名を覚えさせるなんて、お受験でもさせるの?」と言われたことがあります。
早くから文字を教えている親の姿って、「将来は灘高に!」とか言ってるハイソな親のイメージが確かにありますね。
ハイソな親のイメージは置いておいて、自閉症など発達障害の子に早くから文字を習得させることには療育的な意義があります。
自閉症スペクトラムなど、発達障害の子には「視覚優位」な子が多いです。音で伝える情報より、目に訴えかける情報の方が頭に入っていきやすいのです。
また、元々、抽象概念の把握が苦手であるので、絵のマッチングをやる際には文字も混ぜた方が総体的な概念の獲得につながります。
平仮名を完璧に習得する前、多動で場面の切り替えの苦手なさやには、「絵(写真)カード」を使っていました。(療育センターからのススメで始めました。)
公園などに外出した際、いつまでも遊んでいてなかなか帰ろうとしないので、車の絵カードを見せたり、車の中で飲むジュースの絵カードを見せたりすると、素直に車に乗ってくれます。
電車のカードや病院のカードなど、外出先でスムーズな行動をするために様々なカードを作っていましたが、パソコンでイラストや写真を取り込みカードに加工する作業はなかなか面倒なことでした。
それが、平仮名を習得したことで、こちらの示したいことはその場で紙に書けばよいようになり、カード作りの作業から解放されました。
そのようなわけで、灘高を目指さなくても発達障害の子に早くから文字を教えることは有意義なことなのです。
文字を交えたマッチングの様子を動画で・・・と思ってはいるのですが、ビデオカメラの三脚がなかったので悪戦苦闘しております。今日、軽くて使いやすそうな三脚をアマゾンで注文しました。
動画関係は苦手なので、じっくり準備します。
マッチングで使うカード
実際にマッチングで使っていたカードを以下に紹介します。
サイズはだいたい8cm×8cmです。板目表紙を使用しています。
使用する絵はできるだけ実物に近いものを選びます。この絵はくもんの教材を切り取って貼り付けています。
「め」という絵と文字は一文字で発音もしやすく文字と絵の一致もしやすいので、はじめのマッチング学習には最適です。
50音は「あ」から順番に教える必要はありません。取り組みやすいものからはじめるとよいです。
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