「もっと知りたい!自閉症のおともだち」より。ひらがなでやさしく書かれた発達障害の本のターゲットは誰か
(この記事は2013年12月16日に書いたものです。)
漫画などの絵を多用し、漢字にもふりがながふってあり、一見子供向けのような発達障害の本が、療育センターや近所の小児科などでも見かけます。
漢字にふりがながふってあるということは、小学生がターゲットなのでしょうか。
漢字にふりがながふってある発達障害の本の対象を考えてみる
小学生でこのような本を手に取る、考えられるパターンは・・・
・本人に自分の特性をわからせるため
・きょうだいにわかってもらうため
・小学校のお友達にわかってもらうため
大人が子供に渡さない限り、自分から手にとって見るようなことはあまりない気がします。
もっと知りたい!自閉症のおともだち (新しい発達と障害を考える本)
「もっと知りたい!自閉症のおともだち 」という本を療育センターと児童精神科で見かけましたが、中の漢字はふりがながふってあるわりには、表紙の自閉症は”じへいしょう”とふりがながふってないのが不思議です。
第一章では、小学校を背景にした具体事例がいろいろ紹介されており、絵が大きくわかりやすいです。
具体的な事例の後は、「こうしてみました!」と対策が書かれています。
第2章では、自閉症がどのようにして起こるのか、などの説明が書かれています。第1章にくらべて絵が少なくなります。
「もっと知りたい!自閉症のおともだち」のレビューや書評サイトで感想を見ると、大人が買って読んでいることが多いようでした。
大人が読むケースとして考えられるのは・・・
・発達障害の本を、簡単な本から読んでみたかった人。
・担任や加配の先生に渡して、自分の子の特性を知ってもらいたかった人。
・学校や幼稚園に寄贈して、教師や生徒に広く発達障害のことを知ってもらいたかった人。
特にふりがなをふりまくる意味はないかも
「本を読まない人」について、以前の記事でも書きましたが、本を読まない人は、私の経験から言うと、このような平易な本でも最初から最後まで読むことはないです。
学校を卒業し、活字から離れてしまうと、感覚的に「読めそう」と思っていても、知らず知らずのうちに本を読むことよりも他のことを優先していて、読まずに置きっぱなしの本がいつのまにか山積みになっている、というような状況の人はけっこう多いと思います。
療育センターで一緒のお母さんたちに、「貸して」と言われて本を貸し、返ってこないケースがなんと多いことか。
読んでいる雰囲気も全くないし。
たとえ平易に書かれていても、読まない人は読まないので、人にあげるなら、確実に読んでくれそうな人にあげた方がいいように思います。
上に挙げた、「学校や幼稚園に寄贈した」ケースなど、誰も読まずにホコリをかぶってそうな気がしてなりません。
学校や幼稚園の先生は忙しいので、「この本のここのページがうちの子供によく当てはまっていると思うので、よかったら読んで下さい」と具体的に言ったほうが、ちゃんと手にとって読んでくれそうな気がします。
関連記事(1):子供の療育環境は運で左右する