自閉症の子供(聴覚過敏)がイヤーマフを使用することの是非
2018/09/25
自閉症などの発達障害の子供の中には聴覚過敏や視覚過敏を有している子がいます。
何故そんな症状が出てくるのでしょうか?
子供の聴覚過敏の原因
これはモロー反射などの原始反射の統合不全が原因といわれています。
モロー反射は、母親の胎内にいる時から2年位まで、赤ちゃんに備わっている原始反射の一つです。
おもな原始反射は6つあるといわれていますが、人が生活する上で、基本的な身体の動きの基盤となるものであり、それぞれの反射はある時期が来ると統合し、発達していく、というのが一般的です。
自閉症スペクトラム障がい(発達障害)の子供には、この原始反射の統合に遅れのある子が多く存在します。
療育センターで感覚統合を軸とした療育を行う背景もそんなところにあります。
娘がイヤーマフを使うようになった経緯
私の娘、さやにも聴覚過敏があり、掃除機の音、エアタオルの音、管楽器の音など、様々な音を嫌がります。
4歳くらいまでは、音の出るおもちゃ全般を拒否する傾向があり、テレビもあまり見たがらない子供でした。
幼稚園に入園して、メロディオン(鍵盤ハーモニカ)をクラス全員で練習するときには、耐えられずに教室を離れて職員室へ行っていました。
楽器ほどではないけれど、調子の悪い日は合唱の声を聴くのも苦手でした。(好きな歌もあるようで、合唱に参加するかは日によりました。)
屋外で運動会などの行事の際に使うスピーカーの音にも震えていました。
ショッピングモールなど買い物のときに突然大きな音で音楽が鳴ったりすると「帰る!」と言うので、買い物が終わらないうちに帰宅するようなことも度々ありました。
そんなわけで医師からの薦めもあり、年長からはイヤーマフを使用することにしたのです。
イヤーマフの効果?
さっそくイヤーマフを買って幼稚園で使ったところ、メロディオンの練習も教室でできるようになり、音のうるさい行事もなんとか参加できるようになりました。
こんなことならもっと早くにイヤーマフを使用していればよかった、と親としては思いましたが、療育センターの先生からはやんわりと反対されていました。
イヤーマフにこだわって、それがなくてはいられなくなるというのが先生の考えでした。
しかし、さやは、メロディオンの練習や行事のとき以外はイヤーマフを付けることはなく、必要ないときは自分で手提げにしまっています。
自閉症の子は、こだわりの強い子が多いことは事実ですが、必要なときとそうでないときの分別は成長とともにできる子もいるのではないでしょうか。
イヤーマフは、見た目に目立つものなので、周囲に反対されることもあるかもしれませんが、それで子供が安心できる場面が増えるなら、私は使うべきだと思っています。
そのうち、イヤーマフの側圧をゆるくする方法やおすすめのイヤーマフについて別の記事で書こうと思います。