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女の子は自閉症の診断がしにくい?割合が少ないのは本当?(ロンドンカレッヂの研究)

   

少ない

(この記事は2014年1月8日に書いたものです。)

 

University College Londonの研究によると、女の子の方が男の子よりも、自閉症の症状を隠すことが上手で、周囲が彼女を自閉症であると気がつく確率は、男の子のそれと比べてとても低いことがわかったそうです。

 

人の表情を認識できる確率

 

この研究では、3500人以上の子どもを対象に、1990年代に実施された研究の再検証をする形で行われました。
子どもには、いくつかの感情を識別してもらいます。

 

映像などで、幸せな顔、怒りの顔、怯えた顔、悲しみの顔を識別するわけですが、自閉症の子どもは、悲しい顔や怯えた顔を幸せな顔と誤って認識する可能性が高い結果となりました。

 

また、男女を比較したところ、自閉症の女の子は、自閉症の男の子よりも、正しく表情を識別できることが明らかになりました。

 

研究に従事したDr Radha Kothariは、男の子の場合は、表情の認知力で自閉症であるかないかの判断が比較的容易だが、女の子の場合は上手に対人のコミュニケーションができてしまうことがあるので、たとえ自閉症であっても、そうではないと判断されるケースが非常に多いと述べています。

 

自閉症を見落とすことの問題

 

かわいい 生理

 

このニュースはネット上(質問サイトやブログ)のいろいろなニュースサイトにありますが、英語から日本語に翻訳する際の誤訳が目立つので、上記は私が訂正してまとめました。

 

子供の自閉症に気づけないということは、その子の本質的な問題を把握できないということで、必要な療育や医療を逃してしまうことにつながります。

 

療育センターに在籍している子が、男女比として男の子の方が圧倒的に多いということも、この事が関係しているような気がしています。

 

私の6歳の娘はアスペルガー症候群と診断されていますが、人の表情は概ね理解できています。

 

アスペルガー症候群の特徴として、「空気を読めない」ということがよく挙げられますが、娘を見る限りでは、そのようなことはないです。

 

「先生が忙しそうだったから、話しかけないようにした」と幼稚園での出来事を話したりしますが、「先生が忙しそう」ということを察知できる点で空気は読めているような気がします。

 

 

女の子の自閉症スペクトラム障害の診断は、特徴的でなかったりして、本当に難しいだろうなと、自分の娘を見ていると心からそう思います。

 

余談。自閉症の女の子はかわいいというウワサについて

 

ネット上で何度か見たウワサですが、自閉症の女の子がかわいいとか美人とかいう話があります。

 

かわいいとか美人とかいう概念は極めて主観的なので、研究対象になり難いように思いますが、個人的には健常の子と同じくらいの比率でかわいい子は存在しているのではないかと思います。

 

AKBや乃木坂にいてもおかしくないような、かわいい自閉症(重度で行動障害有り)の女の子に出会ったこともありますが、残念な容姿の自閉症の女の子に出会ったこともあり、外見に自閉症故の共通性は簡単に見いだせないように思うのです。

 

ただ、容姿がとてもかわいい自閉症の女の子に会ったときは、切ないような気持ちになったことを記憶しています。
思ってはいけない感情なのかもしれませんが、「こんなにかわいいのに、なんて重たいものを背負っているんだろう」というようなことが頭に浮かびました。

 

「障がいがあっても、幸せに暮らしています」という人は大勢いるのもわかるので、人の幸や不幸を勝手に決めつけることもよくないのは重々承知しています。

 

しかし、ものすごくかわいい顔をした子が重度の自閉症だと、強く心に訴えかけてくるものがあって、「自閉症でなければ華やかな人生だったのだろうな」と思ってしまったりするのです。

 

 

ひょっとしたら、ネット上で「自閉症の子はかわいい」とウワサしている人は、私のように、身近にいたかわいい自閉症の子を見て、強く心が動かされてしまった人もいるのかもしれませんね。

 

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