チャーグ・ストラウス症候群の竹内択選手の活躍を見て、痛みに弱いアスペルガーの娘を思う。
(この記事は2014年2月20日に書いたものです。)
今回のソチオリンピックで、ノルディックスキー・ジャンプ男子団体で銅メダルを獲得した竹内択選手。
見事でした!
チャーグ・ストラウス症候群の体で挑むオリンピック
竹内選手は試合の後、「チャーグ・ストラウス症候群(アレルギー性肉芽腫性血管炎)」という難病の疑いがあること告白しました。
先月約2週間の入院をしたにもかかわらず、懸命に体力を戻し、ソチオリンピックに挑んだ強靭な精神力の持ち主です。
「同じ病いに苦しんでいる人に、あきらめずに頑張って念じていれば、メダルが取れるということを伝えたかった」と話していた竹内選手の言葉には強い意志が感じられました。
痛みに耐える力は人それぞれだけど
オリンピックの番組はいろいろ録画して見ているのですが、テレビで竹内選手のジャンプがやっていたとき、娘のさやは歯の痛みで「ひ~!」というような大きな声を上げて床を転げ、近くにあるものを蹴ったり、こぶしで床を叩いたりしていました。
歯の痛みといっても虫歯などではなく、抜けそうでグラグラしている歯が痛んでいるだけです。
グラグラの歯を自分でいじったせいで、根っこの神経が過敏になっているようです。
グラグラの歯を「抜いてあげようか?」と聞くと「いやだ~」と言い、必死に抵抗します。
私の判断では、抜けそうな歯が浮き上がっているわけではないので、抜くにはまだ早いかな、と思いましたが、「痛い痛い」とあんまりにもうるさく、ご近所にも迷惑なので、抜いて静かにさせたかったのです。
さやの叫び声や癇癪の声は本当に大きく、まわりの人を滅入らせます。
アスペルガー症候群など発達障害の人には、痛みに鈍感すぎる人(感覚鈍磨)もいますが、反対に過敏すぎる人(感覚過敏)もいます。
さやの場合は過敏な方で、痛みがあると、大げさに見えるくらいに痛がって叫びます。
病に耐えてオリンピックに挑む竹内択選手の姿と、痛みを訴えて泣き叫んでいる娘の姿の相反性を目の前にし、複雑な気分になりました。
当事者でなければ、その痛みやつらさはわからないものですが、アスペルガー症候群であることを知らない人から見たら、私の娘はさぞかし精神力や忍耐力のない子に見えることと思います。
一瞬ですが、竹内択選手の勇姿と娘を比較し、「見習いなよ」と心で思ってしまいましたが、私は母親なので、痛みに弱い娘の理解者でいなければならないのですよね。
チャーグ・ストラウス症候群は難病指定されている
ちなみに、チャーグ・ストラウス症候群という病気は竹内択選手の話題で初めて知りましたが、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の症状が出た後、好酸球(白血球の一種)の著じるしい増加を伴い、体全体の末梢血管に炎症が起こることで様々な病状が現れ、難病にも指定されているそうです。
Churg-Strauss Syndromeの頭文字をとってCSSとも言います。
CSSの第一選択薬はステロイド薬で、ステロイド薬投与で多くのケースで症状が改善しているそうです。
竹内選手は現在、治療薬で症状を抑えていますが、この先、薬の量を減らして行く段階があったとき、再び発症する可能性もあるとのことです。
病気と向かい合いながらの競技生活は過酷だと思いますが、竹内選手の存在は、たくさんの人々に元気と勇気を与えることと思います。
銅メダル、本当に素晴らしかったです。
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