NHKEテレ ハートネットTV「自閉っ子 学校へ ―父が撮った240日―」を見て。
(この記事は、2014年2月24日に書いたものです。)
今日、NHKEテレのハートネットTVで「自閉っ子 学校へ ―父が撮った240日―」という特集がやっていました。
この特集では、横浜市立本宿小学校の特別支援学級に通っている1年生の田村晃(ひかる)くんという男の子を記録しています。(本宿小学校は晃くんのおうちから歩いて15分)
本宿小学校は、特別支援学級ではなく、個別支援学級という名称がついているようです。
晃くんは、軽度の知的障害を伴う自閉症で、ハートネットTVの番組ディレクターをしている人の次男なのだそうです。
晃くんは、こだわりが強く、対人関係も苦手という自閉症の典型的な症状をもっています。
まわりの人から、「自分勝手」と見られてしまいやすい晃くんが、特別支援級でどんな風に過ごしているのか知りたくなり、番組ディレクターであるお父さんは、小学校に8ヶ月通って記録します。
晃くんの幼児期と療育センターのこと
幼児の頃の晃くんは、外遊びをやめて家に入るのを嫌がり、玄関の壁に何度も頭を打ちつけるようなことをしていたそうです。
私の娘も頭を繰り返し打ちつけるようなことをする子だったので、見ていて思わず、「同じだねぇ」と言ってしまいました。
晃くんは入学直前まで、横浜市西部地域療育センターという療育施設に通っていました。この療育施設では、専門の医師や臨床心理士の指導のもと、経験を積んだ保育士が自閉症の子供たちをサポートしています。
(娘の通う療育センターは医師はいないのでちょっとうらやましい・・・)
自閉症の子供たちは気持ちの切り替えが難しい子が多いので、晃くんの在籍するクラスは、ついたてで部屋を仕切り、「クールダウンの部屋」を設けていました。
娘の通う療育センターでは、あえてクールダウンの部屋は設けておらず、必要なときだけ別室へ行っています。年長児になると、クールダウンの部屋がなくてもみんなと同じ教室で過ごせているので、「常設」にしなくてもいいような気がします。
長く療育に通っているうちに、不思議とみんなと一緒にいられるようになるんですよね。
これはわが子のことだけを言っているわけではなく、娘と一緒に過ごしてきた仲間の子たちみんなを見て思うことです。
まあ、療育センターによって、先生の指導の仕方は違いますね。
晃くんの小学校の入学式の様子も映っていましたが、ネクタイを嫌がったり、人の多い物々しい雰囲気に落ち着かなくまりました。
晃くんは音に敏感なところもあるそうです。
小学校に入学した晃くん
入学式が行われている体育館には入らず、上履きを脱いで床の上に転がっています。
それを見ていて、もうすぐ1年生の子を持つ私は、「入学式、何事もなければいいな」とわが子が心配になりました。
晃くんがパニック気味になった運動会が終わり、夏休みも過ぎた頃、特別支援の教室は、専門家のアドバイスのもと改装され、パーテーションが登場します。
真ん中には椅子だけで、教室の端には、パーテーションのついた机が並びます。
刺激が少なく、落ち着いた環境を実現するための試みだそうです。
椅子だけの場所はみんなで話を聞く共有スペースで、パーテーションのあるところが個人のスペースとなっています。
晃くんの大きな成長
2学期になって、晃くんは課題のプリントにどんどん取り組みます。
プリントが終わると「できました」と言って先生を呼び、先生のマル付けが終わってたくさん褒めてもらい、「課題が終わったので本を読みます」と書かれているカードを読み上げた後、大好きな本が読めるという、ABA(応用行動分析)にのっとったような「望ましい流れ」が身に付いてきます。
晃くんが1学期にくらべて確かに成長したことを、見ている人にはっきりと感じさせてくれた映像でした。
カメラを通して、晃くんを優しく見つめているお父さんのあたたかい視線が微笑ましいです。
特別支援級に在籍する子は年々増加している
特別支援学級が一般の小学校に設置されてからまだ7年という話がありましたが、そう考えると、その運営の方法も各学校で模索しているところなのではないでしょうか。
特別支援学級で学んでいる子供は小・中学校で合わせて16万人で、増加の一途を辿っているとのことです。
発達障害という、一目でわかりにくい障害も、ここ10年でだいぶ認知されてきましたが、そういった障害の認知が徐々に広まりつつあることも、支援級に在籍する子が増加している理由の一つでもあるのではないでしょうか。
私の娘も、今年の4月から特別支援学級に在籍しますが、今日見た「自閉っ子 学校へ ―父が撮った240日―」はとても参考になる特集でした。
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