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睡眠障害のある自閉症児(発達障害児)について(1)

      2019/01/08

ロゼレム

(この記事は、2013年12月30日に書いたものです。)

 

私の娘、さやはアスペルガー症候群(現在は自閉症スペクトラム障がいに含まれています)と診断されていますが、赤ちゃんの頃から現在に至るまで、睡眠障害が続いてます。

 

睡眠障害のパターン

 

ちなみに睡眠障害には次の4つのパターンがあるそうです。

 

①入眠障害
②中途覚醒
③熟眠障害
④早朝覚醒

 

さやは上のどのパターンに当てはまるのかといえば、③以外は全部のような気がします。

基本的には②の中途覚醒が主症状で、覚醒の時間がたまたま早朝に当たれば④となります。

早朝に覚醒したとき、寝かしつけると起きるべき時間に起きれなくなるので、仕方なく一緒に起床します。

お昼寝は2歳を過ぎたあたりから全くしなくなりました。

 

睡眠障害の処方薬

 

療育センターで出会った自閉圏のお子さんで、中途覚醒のある睡眠障害のお子さんはさやの他に2人だけでした。(入眠に時間がかかるお子さんはけっこういますが)

 

中途覚醒のある子のうち、一人はカナー型の重度の自閉症の女の子で、4歳半からトリクロリールシロップという薬を処方され、薬の作用で朝までずっと眠れるようになったとのことでした。

もう一人は高機能自閉症の男の子で、6歳からエスクレ座薬という薬を処方され、覚醒せずに眠れるようになったそうです。

 

さやの場合はというと、5歳半のときにロゼレム錠という薬を処方されました。

 

ロゼレムの副作用?

 

ロゼレム 自閉症

 

ロゼレムはメラトニン受容体を刺激させることで自然な眠りを誘う作用があるそうです。

メラトニンというのは睡眠ホルモンで、脳の松果体というところから夜間に多く分泌され、睡眠を促す働きをします。

さやはロゼレム錠を最初は半錠処方され、覚醒が少なくなりましたが、それでも2度は起きるので、1錠になり、朝までぐっすり眠れるようになりました。

しかし、6歳を過ぎたあたりから、夜驚症の症状が出現し、夜中に何度も大きな声で叫んだり唸ったりするようになりました。

 

中途覚醒にしろ夜驚症にしろ、隣りで寝ている私が起こされることに変わりはないので、ロゼレム錠は一旦飲むのをやめてみました。

 

そうしたら、夜驚症がぴたりと治まりました。

ロゼレム錠に関係があるか確かめるために再びロゼレム錠を飲ませると、夜驚が復活しました。

 

医師にこのことを伝えると、「直接ロゼレムが夜驚症につながることはないと思う。夜驚は昼間のストレスから来ていると思う。」というようなことを医師は言いました。

ネットで検索しても、ロゼレムで夜驚になるという話は全く出てこないので、さや特有の現象なのかもしれません。

 

何にせよ、夜驚も隣りで寝ている私にはしんどいものであることは変わりないので、ロゼレム錠の服用はやめ、さやの中途覚醒にまたしばらくつきあう日々となりました。

他の薬を試すという方法もあったと思いますが、ロゼレム錠を処方される前の、睡眠が途切れ途切れの日々にも慣れてしまったようなところもあり、私自身が睡眠不足に耐えればよいだけだ、と思うようになりました。

中途で度々覚醒しても、さや本人は昼間眠そうでもないし。

 

余談の短眠生活

 

余談ですが、さやが生まれ、睡眠不足生活に突入してから、最初の1年半くらいは「朝までしっかり眠ってみたい」とか、「この生活が何年続くんだろう」とか、悲観的なことばかり考えていました。

 

そのうち、逆の発想をふと思いつき、「短眠で大丈夫な人っているのかな」とネットで検索したところ、短眠健康法だとか、短眠術の情報に行き着きました。

短眠についての情報でどれも共通しているのが、「小食」であるということで、食べ物の消化にエネルギーが取られなくなると、睡眠が少なくて済むという理由でした。

 

そこで、意図的に小食にしてみたら、確かに、睡眠が足りないようでも、昼間頭がすっきりしている感じがして、以前ほど睡眠に対する欲求がなくなってきました。

 

私の、睡眠不足に耐える方法はまあどうでもよい話として、ロゼレム錠をやめてから2ヶ月程たった後、本屋さんでふと手に取った本がありました。

その本を読んで、実践したことからさやの睡眠が好転していったのですが、それについては長くなりそうなのでまた次回に書きます。

 

今回は薬の話も書いたので、ひょっとしたら穏やかな気持ちでない方もいるかと思い、私の考えを以下に書きます。

 

睡眠障害の子どもが医師から処方された薬を飲むことについて、批判的である方がいることもよく知っていますが、ネットなどで論争することは不毛なことだと思います。

SNSで母乳育児の人が人工乳育児の人を批判して論争となったのを見たことがありますが、それぞれの事情で選択する育児方法が変わって当然なので、「自分は自分、人は人」という姿勢が平穏でよいと思います。

 

 

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