「しょうがいってなに?」と子供に聞かれたときの対応
2019/04/16
(この記事は2013年12月8日に書いたものです。)
私の娘さやは、学校や幼稚園などの集団生活が描かれた絵本が大好きです。(幼稚園が苦手なのに、なぜかはわかりませんが・・・)
丘 修三さんの本
家にある絵本の中で、丘 修三さんの「ようちえんのいちにち」と「いちねんせいのいちにち」という絵本は大好きで、「読んで!」と度々せがまれます。
今日、本屋さんへ行ったら、丘 修三さんの「いちねんせいのがっこうたんけん 」という絵本があったので、家にある上記2冊がさやのお気に入りということもあり、買ってみました。
さっそく家で読んであげたところ、特別支援学級について書かれているところがありました。
以下に少しだけ引用します。
上記の子供と先生のやりとりの内容、かなりひっかかりませんか。
障がいという言葉のとらえ方と、特別支援級の説明
障害児学級という言い方については、まだそのような名称が残っている学校もあるようなので仕方ないとして、「障害」を「病気」と説明する先生、子供がわかる言葉を選んで「病気」としたのかもしれませんが、はたしてそれでよいのでしょうか。
発達障害について書かれている厚生労働省のサイトがあります。
そこには、”「発達障害」とは生まれつきの特性で、「病気」とは異なります”と書かれています。
では病気は生まれつきの特性でないのなら、生まれつきの難病などはどう説明すればよいのか、という考えが頭に浮かびました。
「障害」と「病気」の違いを把握することって、難しいですね。
この絵本を読んだときに、さやに「病気のことを障害と言うの?」と質問されました。
回答するのが本当に難しいので、できれば勘弁してもらいたい質問でした。
「病気と障害は似ている意味の言葉だけど、障害の方は治らない感じが強いかな~。ほら、風邪は病気だけどたいてい治るよね」
といったことを苦し紛れに答えましたが、子供にこんな説明でいいのかな、とスッキリしない思いが残ります。治らない病気もありますからね。
この「いちねんせいのがっこうたんけん」をさやに読んであげた後、私はいろいろ考えさせられてしまいました。
特別支援学級は、配慮が必要な子が所属するところということで、あえて「障害」とか「病気」とかいうことは、学級の説明としてはいらない気がします。
「苦手なことを、少ない人数でじっくり取り組むところ」といった程度の説明でよいのではないでしょうか。
障害を、親がまだ本人に伝えていないことだって多々あるわけですから、子供に「特別支援学級=障害のある子の学級」と説明することは、かなり無理があります。
あと、この絵本の中で、「べんきょうが すこし おくれている こどもたちよ。」と先生が決め付けているくだり。
現在の支援級の実態からいってありえないですよね。
以前の記事にも書きましたが、実際よりも上の学年の勉強をしている勉強のできる子も実際にはいるわけです。
遅れている子もいるかもしれないけれど、学年相応の勉強をしている子や上の学年の勉強をしている子の存在は、今の支援級で珍しいことではありません。
作者の丘 修三さんは障害児教育の経験もある人
「いちねんせいのがっこうたんけん」、特別支援学級のことを知らない人が書いたのかと思いきや、著者の丘 修三さんは大学では障害児教育を専攻し、養護学校教諭の経験もある方なのです。
ずっと昔に書かれた作品なのかな、と思って発行年を見ると、2008年でした。
発達障害者支援法が2004年に制定ということもあり、この作品の書かれた2008年当時も、知的に遅れのない児童が支援級に在籍していることはあったと思います。
「いちねんせいのがっこうたんけん」、特別支援学級のところ以外は他の作品同様、わかりやすく魅力的に描かれていると思いますが・・・。
個人的には、子供にはあまり読んでほしくない本です・・・。
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