臨床心理士・奥田健次先生の講演会の感想
(この記事は2014年1月27日に書いたものです。)
「NNNドキュメント」で紹介されて以来、知名度が急上昇した奥田健次先生の講演会へ行きました。
奥田先生の講演会へ行ったのは少し前のことなのですが、そのときにとったメモを人に貸していたので、ここに感想を書くのが今頃になってしまいました。
我が家からはかなり遠い会場で、電車を5本乗り継ぎ、さらにバスという果てしない旅。。。
奥田先生は関西人らしい軽快な語り口の方ですが、楽しいジョークと共にABA(応用行動分析)の基本的な解説や教育現場の実情などを話していました。
ABAの基本的なことは本にも書かれているので特に新しいことはないのですが、教育現場の実情については、奥田先生らしい毒を吐きながら、わりと長い時間にわたって話していました。
具体的な地名を挙げて、「○○県の教育委員会はアホ」みたいな感じなのですが、特別支援にはお金がかかるので、軽度の発達障害の子は支援級ではなく通常級+通級、重度の子は支援学校ではなく支援級、できるだけ支援学校には入れたくないので、支援学校側は「うちに来ても、何にも(成長が)伸びませんよ」と言ったりするのだそうです。
語学の習得を例に出して、語学の勉強を始めたばかりの人が、いきなりネイティブのクラスに入ってもやる気をなくすだけで語学習得につながらないように、支援が必要な子が、その子に合っていない環境で勉強しても本人のためにならないということでした。
そして奥田先生は、各地に「事例研」というのを立ち上げてほしいとのことで、今後、講演活動はできるだけしたくないが、「事例研」だったらノーギャラで助言に行くよ、ということでした。
奥田先生が言う「事例研」とは、教師が不登校など、実際に学校で起きている問題をグループで発表したりディスカッションするもののようです。
この「事例研」、なかなか広がっていかないようで、調べてみましたが、我が家の近くにもそのようなものはありません。
学校でケース会議というのは行われているようですが、専門家を招いて意見を聞くような取り組みが、私の住む地域では行われていないのが残念です。
私は幼児である娘に対して、ABAなどの療育を続けてきましたが、ABAも、基本的な模倣や個別の概念を習得した後は、本人や家族が抱えている具体的な問題について、考えながら改善の取り組みをするようなところがある気がします。
幼児期の生活課題をクリアした後の問題というのが目下、我が家の課題となっています。
学校で実際にあった、いろいろなお子さんのいろいろな事例とその対策というのを知りたいと思い、「行動療法を生かした支援の実際―発達障害・不登校の事例に学ぶ」という本を買ってみました。
この本に書かれていることは、親の努力だけでは実践できないことばかりですが、奥田先生が教師に「事例研」を各地で立ち上げてほしいという考えに至った理由がなんとなくわかりました。