追視の発達を促す訓練とその意味~コロコロ系療育グッズの比較~
2019/04/25
(この記事は、2013年11月24日に書いたものです。この記事で紹介しているくもんの「くみくみスロープ」ですが、欠点として書いた箇所は、現在のリニューアルしたモデルでは改善されています。リニューアルした「くみくみスロープ」についての記事も、後程、掲載します。)
自閉症スペクトラム障がい(発達障がい)の子の中には、視力検査で正常の値が出ていたとしても、一般的な視力検査では表れてこない様々な「見る力」が低い子がいます。
その「見る力」には追視(ついし)する力も含まれています。
追視とは眼球でモノの動きを追うことですが、文字の読み書きにもつながる大切な能力です。
今日は、追視の力を養うコロコロ系のおもちゃを紹介したいと思います。
このページの目次
あまり気に入っていない「イマジナリウムデラックスマーブルレース」
我が家には、「イマジナリウム DXマーブルレース」というトイザらスで売られている、小さい玉がコロコロするおもちゃがあります。
私はこのおもちゃがあまり気に入っていないのですが、その理由も含めて解説します。
娘のさやが通っている療育センターには、くもんの「くみくみスロープ」 というおもちゃがあります。
さやも含む自閉圏の子たちにわりと人気のおもちゃで、追視の訓練にもなるし、家にも欲しいなーと思いました。
そこでトイザらスへ見に行ったところ、「くみくみスロープ」と並んであったのがこちらの「イマジナリウムデラックスマーブルレール」で、「くみくみスロープ」よりもパーツが多く、カラフルで楽しそうだしお安いのでこちらに決めてしまいました。
そして、家でいざ組み立ててみると、「!!!」と思う箇所がいくつかありました。
↓「!!!」を写真で見ると↓
↑ 傾斜が微妙でよく玉が止まる
↑ こちらも傾斜がなさすぎ
小さい玉が颯爽と転がっていく様が楽しいはずなのに、途中で止まってしまうなんて!
イラっとするので、問題のパーツは使わないよう別にしまい、子供の目に触れないようにして、それ以外のパーツだけで組み立てたら、楽しく遊べるようにはなりました。
元々パーツの多すぎ感もあったので、問題パーツを省いてすっきりしています。
じゃあ、最初からくもんの「くみくみスロープ」にしておけばよかったかといえば、あながちそうとも言えなかったのです。
くもんの「くみくみスロープ」の欠点と長所
自宅にはないので、商品ページの画像に説明を加えると・・・
玉を受けるところの接続部分が細いため、療育センターにあるくみくみスロープは玉受け部分が両方とも折れていて、テープで補強して使用しています。
その点、「イマジナリウムデラックスマーブルレース」は玉受け部分は安定しているので、多少乱暴に扱っても壊れない気がしました。
しかし、子供が自分で組み立てたときの組み立てやすさはくもんの「くみくみスロープ」の方に軍配が上がります。
「デラックスマーブルレース」はパーツの接続部分が固く少し力を入れる必要があります。
どちらの商品も、難点があるのですが、先日、KIDOKIDOへ遊びに行ったときに、「完璧!」と思えるコロコロおもちゃを発見しました。
素晴らしきボーネルンドの「クアドリラ・ツイスト&レールセット」
ボーネルンドの「クアドリラ・ツイスト&レールセット」の美しさと機能性は素晴らしいです。
BorneLund(ボーネルンド)クアドリラ・ツイスト&レールセット
「クアドリラ・ツイスト&レールセット」はビー玉を転がすわけですが、キラキラした玉が転がる様子を、娘のさやはうっとりと眺めておりました。
玉の回転を横からしっかり眺められる構造は本当に素晴らしいですね。
組み立てパーツも子供の手になじむ大きさで、組み立てやすいです。
木製ならではのあたたかみもあります。
↑ この赤いひし形のパーツが面白いのですが、ビー玉がいくつかたまってくると、このパーツがカタンと動いて一気にビー玉が落ちる仕組みなんです。
池にある鹿威し(ししおどし)みたいですよね。
ブロックの色によって穴の向きが違い、ビー玉の通り道が変わっていくのですが、中でも上の写真の赤いブロックの中にはプラスチックの仕掛けが入っていて、ビー玉が左右交互に出てくるのです。
我が家にはもう、イマジナリウムのがあるので、クアドリラは買いませんが、最初にクアドリラを見ていたら、間違いなくこちらを買っていたと思います(断言)。
自分で組み立てるのがまだ出来ない子が遊べるコロコロ系おもちゃ
本当に、自閉ちゃんたちはコロコロおもちゃが好きだなーと、家に遊びに来た療育センターで一緒の子を見ても思うのですが、自分で組み立てるのがまだ出来ない子も、「コンビのいろいろすべりだい」というパーツと玉が大きいおもちゃで遊んでいたりします。
コンビの知育探検シリーズのいろいろすべりだい 、下の写真のは親戚のお下がりで古いモデルですが、リニューアルした今のバージョンよりも、楽しそうな気がするのは私だけでしょうか。
↑昔のいろいろすべりだい
↓現行のいろいろすべりだい
おもちゃがリニューアルする場合、安全性や生産性などの観点から改変するのでしょうが、安全性については旧バージョンにとくに危険なところがあるようにも思えないので、生産性のみの理由でしょうか。
関連記事:くもんのくみくみスロープが丈夫になってリニューアルしていた!(追視の訓練)