高機能自閉症の甥っ子の成人式(振袖に魅せられて)
2019/04/24
(この記事は2014年1月14日に書いたものです。)
以前の記事で、夫方の甥っ子(さやの従兄弟)が高機能自閉症であることを書きましたが、昨日、夫のお姉さんと新成人になった甥っ子の次男くん(高機能自閉症)がおばあちゃんち(夫の実家)を訪問したとのことでした。
成人の日だったこともあり、晴れ姿(スーツだけど)をおばあちゃんに見てもらいに来たようです。
次男くんの職場がおばあちゃんの家に近いということもあり、就職してからはたまに、おばあちゃんの家に遊びに行っているようです。
最初はおばあちゃんも、孫が遊びにきてくれるというのがうれしかったようですが、次男くんの「普通でない」振る舞いに、おばあちゃんは滅入っていたようです。
おばあちゃんの次男くんに対する愚痴を、私の夫はよく電話などで聞かされています。
いろんな引き出しを勝手に開けてしまうとか、男の子なのに電球も取り替えられないとか、同じ話ばかりするとか、一方的に話し続けたと思ったら急に無口になってしまうとか、おばあちゃんは次男くんに対していろいろな不満があるようです。
次男くんの通った高校は介護の勉強をする学校で、卒業後は特別養護老人ホームで介護の仕事をしています。
就職してからずっと同じ仕事を続けているので、よく頑張っていると思います。
次男くんに、私は何度か会ったことがありますが、ニコニコして穏やかそうな子です。
同じ職場を数年勤務できるということは、一定の社会性もあるし、教えられたことはきちんとやる子なのだと思います。
ただ、自閉症の特性もあるので、「よそのおうちの引き出しを勝手に開けてはいけない」とか、世間一般では当たり前のことでも、一つ一つを丁寧に説明してあげることが必要なのだと思います。
次男くんが自閉症だということは、さやがアスペルガー症候群(後には自閉症スペクトラム障がいに含まれるようになりました)と診断されてから夫のお姉さんがカミングアウトしたので、おばあちゃんも長年知りませんでした。
知ったからといって、見た目普通な自閉症ですから、信じ難いというか、受け入れられないのかもしれません。
私の夫も、次男くんの愚痴を黙って聞いていないで、「自閉症というのはこれこれこういうものだから」と、おばあちゃんに教えてあげればよいのですが、どこか他人事のようにしています。
私は、自分の方の親戚のことだったら助言のようなこともするかもしれないけれど、夫方だと出すぎている気がして、遠慮してしまいます。
まあそんなこんなで、成人式に出席した次男くんの話を夫のお姉さんが話したらしいのですが、次男くんは女の子の振り袖がとても綺麗に思ったらしく、式が終わってからカメラで知らない女の子の振り袖を写真に撮ったりしたので、それを見た夫のお姉さんが慌てて止めたという話でした。
確かに、振り袖って綺麗です。
私も街行く新成人の振り袖を見ると、「いいな」と素直に思います。
次男くんは私と夫の結婚式でも、「写真撮らせてください」と言ってたくさん写真をとってくれたけど、綺麗な服を見たりして、それをカメラに納めたいという気持ちに悪気はないと思います。
ただ、知り合いでなく、他人を撮るときは要注意ですね。
障害者用の成人式というのが開催される地域もあるらしいですが、次男くんは普通の成人式に出席しました。
中学1年生のときに高機能自閉症と診断されて、少しの期間だけ特別支援級に入りましたが、通常級に戻りたいという本人の強い希望で、猛勉強して通常級に戻ったそうです。
本人なりに、普通の人の環境でやっていこうという意思が強くあるのだと思います。
中学生から支援級というのは、本人にとって受け入れられないこともあるかもしれません。
杉山登志郎先生の「発達障害の子どもたち」という本にも、特別支援級は早い時期からの方が本人が受け入れやすいようなことが書かれていました。
鉄道が大好きで、休日はいろんな電車に乗って過ごしている次男くん。
夜勤もあって大変な職場をよく頑張っています。
私は心から応援しています。
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