「自閉症ではなかった！」という報道に怒る女優のジェニー・マッカーシーについて
2018/12/26
（この記事は2014年1月16日に書いたものです。）
「スクリーム３」などに出演しているアメリカのセクシー女優、ジェニー・マッカーシー(Jenny McCarthy)ですが、以前から息子が自閉症であることを公表しています。
予防接種ワクチンで自閉症になると主張
自閉症の息子についてジェニー・マッカーシーが話しているテレビの報道をずっと以前に見たことがありますが、「自閉症の原因が予防接種のワクチンのせい」と主張している人としても有名ですね。
2008年に元夫のジム・キャリー(Jim Carrey)と、予防接種ワクチンの有害性と安全化を訴えて、ワシントンDCでデモ行進を行ったことも報道されたことがあります。
このニュースは、知名度があるジム・キャリーが参加したデモということで、わりと大きく取り上げられたニュースでしたね。
ランドウ・クレフナー（Landau-Kleffner）症候群の疑い？
最近、「息子が自閉症ではなくランドウ・クレフナー（Landau-Kleffner）症候群であるとジェニー・マッカーシー自身が考えていた」ということをTIME誌が報じたことに対し、ジェニーが「間違った報道」として怒りを示しているというニュースを見ました。
ランドウ・クレフナー症候群というのを私は聞いたことがなかったので、調べてみました。
自閉症よりも稀なケースの疾患で、「てんかんを伴う後天性失語症」と日本のサイトでは説明されていますが、詳細な説明をしているサイトは自閉症に比べて少ないです。
症例の７０％は言語獲得後、６歳以前に始まるということですが、折れ線型自閉症も単語や２語文などの一定言語を獲得後、話さなくなり、てんかんの脳波を伴うケースもあるので、似ている側面もありますね。
ランドウ・クレフナー症候群のてんかんの脳波は自閉症のそれとはまた違うものなのでしょうか。
私には、違いがどうもよくわかりません。
まあとにかく、自閉症について発言したり、本を書くような活動をしていたジェニーにとっては、「自閉症ではない」と報道されるのは遺憾なわけですね。ランドウ・クレフナー症候群が自閉症と似ているところがある疾患といえども。
日本でも、ジェニーの著作は「言葉よりずっと大切なもの~自閉症と闘いぬいた母の手記~」が翻訳されていて、読むことができます。
自閉症の原因は予防接種ワクチンか？医師の見解
予防接種ワクチンと自閉症の関連性を主張しているジェニーですが、この問題について、最近の自閉症に関する書籍では否定していることが多いですね。
この問題は、1998年にアンドリュー・ウェイクフィールド医師を代表する13人の研究者達が医学雑誌「Lancet」で発表した論文によって広まりました。
その後、「自閉症の原因は幼児期に受ける予防接種である」という研究結果はねつ造であることが暴かれました。
アンドリュー・ウェイクフィールドは2010年、イギリス政府から医師免許を剥奪されています。
上の写真がアンドリュー氏ですが、どこかどや顔？
私の娘、さやもアスペルガー症候群（後に自閉症スペクトラム障がいに含まれる）ですが、予防接種を受ける前から睡眠や抱いたときの反応など、普通の赤ちゃんとは違った感じがありましたから、予防接種は関係ないと思います。
以前の記事でも書きましたが、遺伝や遺伝子からのアプローチの方が、今の研究での主流なのではないでしょうか。
それでも、予防接種を拒否する動きはいまだ止まりません。
ジェニー・マッカーシーがワクチンが原因で息子が自閉症となったことを話しているYoutubeの動画がありました。
アメリカは日本よりも子供が接種するワクチンの種類が多いですが、ワクチンは元々、副作用を起こす可能性を低い確率ですが秘めています。
日本でも乳幼児が接種するワクチンの種類がだんだん増えてきている傾向にありますが、接種回数が増えると、ワクチンの安全性についてさらにナーバスに議論されると思います。
私たちは、何が本当で何が嘘なのか、見分ける目を持たなければならないのですが、ネット社会になり、これだけ多種多様な情報が氾濫していると、それはなかなか難しいことですね。
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