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自分の子供から命を奪われるかもしれないときの自閉症児の親の気持ち

   

命を奪われる

(この記事は2013年8月19日に書いたものです。)

先日、NHKハートネッTVの「発達障害の子どもとともに」の再放送を見ました。
「大人になった私たち」というテーマでは、二人の大人の自閉症の方が紹介されていました。

暴れる自閉症スペクトラムの子

上野さんという男性が、思春期のときに車の中でお母さんの首を絞めようとしたエピソードが番組では紹介されていました。
上野さんのお母さんの話を聞いて、私はなんだか悲しい気持ちになってきました。
かつて、娘のさやが車の中で大暴れした出来事を思い出したからです。

車の中で、さやはチャイルドシートから抜け出して暴れ、ハンドルを握る私の手をとろうとして運転が危険になり、どこか車を寄せられるところを見つけなければと運転を妨害されながらもしばらく走り、駐車場の広いコンビニを見つけ、そこになんとか駐車しました。

駐車した後、車の中でさやも私も大泣きしました。

子供だけでなく、親の私も泣いているので、傍目から見たら異様な光景だったと思います。
国道での出来事だったので、車の通行量も多く、さやの力でハンドルがぶれたときは冷や汗が出て、もうこれで私たちの人生は終わりかもしれないと思いました。

そのとき私に涙が出たのは、交通事故につながるかもしれないという恐怖もありましたが、自分の子供が命を奪うことにつながる状況を作り出すことへの悲しさからでした。

成長したの子の力は相当なもの

エピソード

番組の上野さんのことに戻りますが、思春期の男の子の力というのは相当のもので、それが車の密室で運転中のお母さんの首を絞めるわけですから、そのときのお母さんの恐怖ははかりしれません。

番組の司会の方たちは、その出来事をさらっと聞き流していましたが、私には「苦労」という言葉だけでは語れない発達障がいの子をもつ親の状況を想起させられました。

 

パニックが癇癪につながらない自閉症スペクトラムのお子さんもいるし(泣くだけとか)、発達障がいといえどもそれぞれです。

あまり、親が子供から危険な目にあっている話をすると、発達障がい者=危険というレッテルを貼られてしまうので、そこはなかなかクローズアップできない側面もあるのかもしれません。

発達障がいの子が暴れて当たり散らして壁を壊してしまうという話はよく聞きますが、それはもう、ものすごい力を秘めている子どもたちですよね。

我が家もいろいろなものを壊されました。(最近はあまりないけれど)

そうならないためにも、療育を頑張り、そして本人が安心できる環境をできるだけ作ってあげる努力をしてあげたいと切に思うのでした。

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