自閉症(発達障害)に理解のない中高年が3ヶ月は優しくしてくれる方法
2019/01/02
(この記事は2013年8月27日に書いたものです。)
障がいのある子のいる家族にとって、周囲の人に、その障がいについて理解をしてもらえるのはとてもありがたいことです。
今日は、私の実母の理解を得るために、実際に試みたことを書きたいと思います。
一般的には、「光とともに」を読んでもらうことが主流らしい
子供が発達障害と診断されて、まわりの人にそれを伝えるときに、発達障害の本を渡したり、自閉症の子を扱った漫画「光とともに」を渡したりすることが多いようです。
療育センターで、他のお母さんたちの話を聞くと「光とともに」をパパやおばあちゃんに渡したという話を数人から聞きました。
しかし、結果は芳しくないようで、「忙しいから読めなかった」と言われたり、「あの子は自閉症なんかじゃないよ」と言われたりして、理解へとつながらないこともあるようです。
まあ、「光とともに」は全15巻もあるし、興味のない人にはハードルが高そうですね。
なかなか理解へはつながらない
義理のお母さんが発達障害を理解してくれない、という話はよく聞きますが、私の場合は逆で、自分の母の方が理解しないし、対応の仕方が最悪です。
義理の母は、「普通の子よ」と言って理解は示さないけど、さやの嫌がることはしないし、さやに優しくしてくれるので、お年寄りなわけだし、それだけで十分と思っています。
私の母ですが、障がい云々以前に、孫に興味がありません。
孫だけでなく、子供にも関心がないので、私が小さい頃は、話しかけられることもめったになく、寂しい幼少期を過ごしました。
医師から診断が出たとき、一応電話でそのことを伝えましたが、「あぁ、そう、でもあの子は器量よしだから大丈夫よ」と言ったぐらいでその後もさやのことが話に出ることはありませんでした。
そんな母が、3ヶ月くらいだけ、さやに優しく接してくれたことがあるんです。
韓流ドラマ並みに中高年を魅了する「君が教えてくれたこと」
自閉症のことを題材にした映画やドラマはいろいろありますが、私は自分の子が自閉症スペクトラムと診断されるまでは、それほど積極的に見たことがありませんでした。
私は自分が見るために、DVDでいろいろ見ていましたが、中でも「これだ!」と思った作品があります。
それは、ともさかりえさん主演のドラマ、「君が教えてくれたこと」です。
ともさかりえさんは、知的障害をともなわない高機能自閉症の役を演じていて、上川隆也さんとのほっこりする恋愛もあり、ちょっとしたスリリングな事件もありで、まさに韓流ドラマのようなのです。
私の娘、さやは知的障害はないので、「普通に見えるような人にも障がいがある」ということを、まわりの人に理解してもらうアイテムとしてちょうどよいと思ったのです。
ともさかりえさんの演じた自閉症の症状とは違うところもあるけれど、それはそれでいいんです。
何も理解しようとしない人に、とりあえず楽しみながらこんな障がいもあるよ、とわかってもらえれば。
私の母は、本も新聞も読まないような人なので、最初から本や漫画を渡そうなんて思ったこともないし、韓流ドラマが大好きなので、「君が教えてくれたこと」のDVDを見てもらうのが一番いいと思いました。(韓流ではないけれど)
DVDを貸したら、かなりハマったようで、4枚あるDVDを時間が許す限り立て続けに見て、3日で見終わったようです。
そして、その後のさやに対する対応がガラリと変わったのには驚きでした。
自閉症理解とその後
「今、大きい音がしたけど大丈夫なの?」とか、「おなかすいたからおやつにしたいんだけど、前もって言ったほうがいいのかな?」とか、今まででは考えられないようなことばかりを連発して言うのです。
さやの存在は無視していて、話しかけないことが多かったのに、「ここの光はまぶしくない?」とか、優しい声色で言うのです。
「君が教えてくれたこと」、スバラシイぞ!と思いましたが、母から優しくされる幸せな日々は長くは続かず、3ヶ月を過ぎたあたりで元通りの母へと戻りました。
人の記憶(特にお年寄り)は長続きしないのです。
新しいドラマを見れば、そのことで頭がいっぱいになり、過去のドラマは忘れていくのです。
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