偽アスペルガー症候群とは。医師の診断はちゃんと受けよう
2019/02/11
(この記事は2014年2月1日に書いたものです。)
このブログでも何度か書籍を紹介させていただいている杉山登志郎先生がメディアで「偽アスペルガー症候群」について述べていました。
偽アスペルガー症候群の特徴
杉山先生のところを受診する人の中に高機能自閉症やアスペルガー症候群について自己診断している人がいて、それらの人に共通しているのは「自閉症だったわたしへ 」というドナ・ウィリアムズさんの著書を読んでいることなのだそうです。
このような人に対する杉山先生の所見は、ほとんどの人が境界性人格障害、対人恐怖症、分裂病圏の診断が妥当とされる場合が多く、その中で、真の高機能自閉症の人は10人に2人もいなかったということでした。
自閉症の診察経験の少ない成人対象の精神科医が、誤ってアスペルガー症候群の診断を下していることも多く、そのような患者が杉山先生のところをあらためて受診し、別の診断を受けることもあるのだそうです。
また杉山先生は、「君が教えてくれたこと」(過去に放映されたともさかりえ主演のTBSドラマ)を見て、なおかつ「我、自閉症に生まれて」というテンプル・グランディンさんの著書を読んだ人が、「自分はそうかもしれない」と思った場合には、自己診断でもほとんど間違いがないケースが多いのだそうです。
実際に多くの発達障害の人を診ている杉山先生ならではのユニークなエピソードですね。
私はドナ・ウィリアムさんの「自閉症だったわたしへ」を読んだことがありますが、自分の娘がアスペルガー症候群(現在は自閉症スペクトラム障がいに含まれます。)と診断された後に読んだからか、発達障害でない人に誤解を与えてしまうような感じがどの部分なのか、よくわかりません。
一般に使われる「アスペっぽい」という言葉
自分勝手な人を「空気が読めない」ということで「アスペっぽい」とネットなどで表現されているのを見ますが、アスペルガーだったらもっと「生きにくさ」があるはず、と私はよく思います。
特定の芸能人を中傷するために「アスペっぽい」と言う人もいますが、本当にアスペルガーだったら、芸能界の仕事のような臨機応変さが必要な職場で長く仕事を続けるのは難しいのではないでしょうか。
中にはいろいろなパターンを覚えて臨機応変さに対応できるアスペルガーの人もいるかもしれませんが、台本にないことも多々求められる芸能界で、たとえ1ヶ月でも仕事をするのは大変なことだと思います。
それができている時点で、芸能人はアスペルガー症候群の要素がかなり否定できそうです。
私の娘は、「○○先生が○○と言ったら、みんながなんで笑ったのかよくわからない」というようなことを幼稚園から帰ってきて言ったりするのですが、抽象的な物事の面白みを説明しないとわからないような特性の人が芸能界にいたとしたら、かなり不向きな気がします。
話がだいぶそれてしまった感じですが、要するに、高機能自閉症とかアスペルガー症候群とか、自己判断や専門でない人の判断はあてにせずに専門医に診断してもらいましょう、という話でした。
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