TBS生命38億年スペシャル 最新遺伝子ミステリー“人間とは何か”を見て。PECSの適用範囲
2019/02/07
(この記事は2014年2月11日に書いたものです。)
再放送の番組のようですが、TBS「生命38億年スペシャル 最新遺伝子ミステリー“人間とは何だ”」というのを見ました。
「生命38億年スペシャル」はシリーズになっているようで、明日の19時に「生命38億年スペシャル 最新脳科学ミステリー“人間とは何だ”」が放映されることを受けての再放送だったようです。
最新遺伝子ミステリーで私が一番気になったのが、「年をとらない!?ミステリー」という特集で、「見た目」も精神発達も20年間年をとらない1歳前後の赤ちゃんのような人(ブルックさん)のことが紹介され、ブルックさんがPECS(ペクス:絵カード交換式コミュニケーション・システム)を使用していたことです。
(↑左がブルックさんで、右が妹さん)
ブルックさんの知能は1歳程度のようですが、ベビーカーとゆりかごの二つの写真のカードから一つを選ばせ、ブルックさんはゆりかごのカードに手をおいて意思表示していました。
PECSというと、自閉症スペクトラムの人が使用するイメージがあったので、PECSの適用範囲はどんな感じなのだろうと思い、調べてみました。
PECSは元々、自閉症児のために考えらたものですが、その効果は自閉症に限らず、言葉でコミュニケーションが取れない人は誰でも使用できるのだそうです。
子供でも大人でも、障害の重さにも関係ないとのことです。
言葉がある程度話せていても、自発的には話せなかったり、オウム返しばかりだったり、語彙が少ない人や発音が不明瞭で十分な伝達ができない人にも有効なのだそうです。
番組で、ブルックさんがカードの上に手を置く、という動作を見ていて、脳性まひのお子さんの中にも、PECSが有効なケースがあるのではないかな、と思いました。
(実際に脳性まひでPECSを使用している人はいるかなと思い、検索して調べたら、やはりいました)
PECSの適用範囲について納得したところで、年をとらないブルックさんのことが気になるので、調べてみたら、Wikipedia(英文ページ)でブルックさん(Brooke Greenberg)の項目があり、経緯が事細かに書かれていました。
そして、ブルックさんが昨年(2013年)の10月に亡くなっていたことを知り、驚きました。
最新遺伝子ミステリーが放映されたのが昨年(2013年)2月なので、放映後わずか9ヶ月のうちに亡くなってしまったんですね。
死因は気管支軟化症という小児に発症する病気でした。
21歳まで赤ちゃんのようだったブルックさんですが、番組中で、家族がとても仲良しな印象を受けたので、ブルックさんが亡くなったときの家族の悲しみは深かっただろうと思いました。
ブルックさんの症例は世界でも珍しいものだったようですが、遺伝子の世界的権威である豊橋技術大学学長の榊佳之博士(国際ヒトゲノム計画 日本代表)は、遺伝子自体ではなく、「遺伝子スイッチ」というものに何らかの異常があったのではないか、と述べていました。
明日の放送(最新脳科学ミステリー)も楽しみです。
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