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発達の遅れが気になっても健診を拒否しないで。「全国で相次ぐ“消えた赤ちゃん” その真相を追う」NHKあさイチの特集を見て。

   

ママ友からの圧力

(この記事は2014年3月4日に書いたものです。)

 

NHKあさイチで特集していた「乳幼児健診に来ない家庭」について、前回の記事では、虐待リスクに重きを置いて書きました。

 

このブログは発達障害児を対象としたブログでもありますが、番組が紹介していた、発達の遅れが気になって乳幼児健診を受診するのを躊躇してしまうケースというのは私にとってとても身近な話でもあるので、それはそれで別に掘り下げて書こうと思いました。

 

ママ友からの何気ない言葉が圧力に

 

大阪市港区にある「おもちゃ図書館」は子どもたちの遊び場であり、母親の子育て相談なども担っている子育て支援施設ですが、この施設の代表を務める湯川絵美さんの経験談が番組で紹介されていました。

 

湯川さんは以前、自分の子育てに自信が持てず、乳幼児健診にも負担を感じていたといいます。

 

次男の創梓(そうし)くんが1歳を過ぎた頃、育児につまずきを感じていたそうです。

 

創梓くんに「言葉の遅れ」を感じ、気さくな近所のママ友に相談してみると、思わぬ答えが返ってきました。

 

「ちゃんと話しかけてるの?このぐらいのときはうちの子、話してたけどね。」

 

子育ての先輩だと思って話したママ友に、このようなことを言われたそうですが、他にも、「テレビの見せすぎ?」、「お母さんらしく子どもに接してるの?」と言われたりしたそうです。

 

その後間もなくやってきた1歳6ヶ月健診ですが、湯川さんは気が進みませんでした。

 

「行かないと面倒なことになる」と思った湯川さんは渋々健診を受けに行きます。

 

そこで、言葉の発達の検査が行われたとき、創梓くんはうまく答えることができませんでした。

 

湯川さんは、言葉の遅れが自分のせいだと、健診の先生に思われたのではないかと不安になります。

 

健診をきっかけに紹介された医師に、創梓くんは知的障害があると診断されます。

 

障害の診断を受けることで、必要な支援を受けることができるようになりましたが、湯川さんの気持ちはさらに落ち込んでいったそうです。

 

子どもの障害を受容できるまでの日々

 

障害の受容

 

創梓くんの姿を他の母親に見せるのが嫌になり、自宅に引き篭もりがちになり、気持ちもイライラし、イライラの矛先は長男に向かっていきます。

 

精神的に不安定な日々が続き、決まった時間に食事を作ることもままならなくなり、自己嫌悪が増していきます。

 

そんな湯川さんが子育ての苦しみを抜け出すきっかけになったのが、発達障害児を育てている、長男の同級生の母親からのひと言だったそうです。

 

「気持ちはわかるよ。でもね、あなたが子どもの障害を認めないと、先に進めないよ。ちゃんと受け止めてあげて」

 

同じ悩みを持つ母親の言葉が、湯川さんの心を動かしました。

 

その後、湯川さんは子どもの成長のためにまわりに助けを求めることを、「恥ずかしい」と思わなくなりました。

 

創梓くんは専門の幼稚園で発達の遅れを補う教育(療育?)を受け、たくさんのお友達ができました。

 

湯川さんは、過去の自分を振り返り、あのまま引き篭もりのような生活を続けていたら、子供達を虐待していたかもしれないと感じ、母親が感じる様々なプレッシャーを知ってほしいと考えるようになったそうです。

 

 

実際に乳幼児健診に連れて行かなかった人も

 

以前の記事で、私の夫のお姉さんの次男が高機能自閉症であることをこのブログで書きましたが、次男くんは1歳以降の健診を全く受けていません。

 

お姉さんの話では、次男くんの発達が明らかに遅れていたため、同居の姑から健診へ行くと障害者に認定されるから健診へ行くなと言われたのだそうです。

 

次男くんが高機能自閉症と診断されたのは中学1年生のときですが、それまでは発達のことで専門機関を受診することもなく、もちろん療育も受けていません。

 

私は姑と同居の経験がないので、甘く見ているところもあるかもしれませんが、家族の誰かが乳幼児健診へ行くことを反対しても、私なら断わりなく連れて行きます。自分の子ですから。

 

夫のお姉さんは、姑に反対されたことを言い訳にして、本当は自分も健診に連れて行きたくないと思っていたのではないかと思うのです。

 

発達が明らかに遅れていて、健診でそれを指摘されるかもしれないと思っても、一歩踏み出す勇気が大切です。

 

湯川さんの話にもあるように、発達の遅れを健常児しか育てたことのない人に相談してもあまり意味はないような気がします。

 

健診から専門医や療育に結びつくのも、地域によって時間がかかることもありますが、就学前の幼児期に療育を受けることは大切なので、気が重くても健診には連れていくべきです。

 

「気が重くても」健診へ行く。

 

本当にこれに尽きますね。私も気が重かったけど、行きましたから。

 

 

3歳過ぎの健診は、既に療育センターとつながりを持っていたので、それを健診で告げると順番を待つことなくスムーズに受診できました。

 

目の検査も特別な道具を使って下さったり、いろいろな面で「特別対応」でした。

 

何かと待たされることの多い健診ですが、普通に健診を受けていたら、当時は多動が酷かったので大変だったと思います。

 

健診に時間がかからないように配慮していただいたのは、療育センターとつながりを持っていてよかったことの一つです。

 

 

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