睡眠障害のある自閉症児(発達障害児)について(3)
(この記事は2014年1月2日に書いたものです。)
前回の記事で、「自閉症は漢方でよくなる!」という本をもとに、大柴胡湯(だいさいことう)で娘のさやの睡眠障害が改善したことを書きました。
今回は、飲みづらい漢方薬をどうやって飲ませたかたについて書きます。
錠剤になっているものを探す
前回の記事で、繰り返す中耳炎を治すために小柴胡湯(しょうさいことう)を飲ませたことも書きました。
小柴胡湯はさやにとって初めての漢方薬体験なのですが、ドラッグストアで買った顆粒の小柴胡湯は舌に乗せるだけで何ともいえない味がするので、そのままでは受け付けてくれませんでした。
アイスクリームに混ぜてもダメで、すり鉢に水をたらしてすり込み、オレンジジュースに混ぜて飲ませたら何故かすんなり飲みました。
そして大柴胡湯(だいさいことう)はというと、さやは5歳から錠剤の薬を飲めるようになっていたので、錠剤の大柴胡湯を探しました。
近くのドラッグストアにはなかったのですが、アマゾンで探したら、一元製薬というところの大柴胡湯は錠剤に加工されていたので、迷わずそれを買いました。
錠剤に加工されているメリットの他に、成分量に対するコストパフォーマンスがよかったので、他社の顆粒のものよりもお安かったです。
大柴胡湯の分量
大柴胡湯の分量ですが、6歳から飲み始め、最初は2錠を朝だけ飲ませました。
飯田誠先生の本には朝夕と書かれていたのですが、小柴胡湯を飲ませたときに、午後に飲むと覚醒に働き、寝つきが悪くなる経験をしていたので、朝のみとしました。(さやはいろんな薬や食べ物が覚醒に働きます)
飲み始めて数ヶ月は朝の2錠で概ね落ち着いていたのですが、再び夜驚が出現し、夜驚が数日続いたときに試しに大柴胡湯を1錠に減らしてみました。
すると、減らしたその日に夜驚がぴたりと治まったので、朝1錠だけ飲む日々がまたしばらく続きました。
朝1錠飲む日々が2ヶ月近く続いたある日に、夜驚と異常な寝つきの悪さがあり、それが3日続いたところで大柴胡湯を1錠から半錠に減らしてみました。
するとまた、ぴたりと夜驚が治まりました。
ロゼレムのときもそうですが、睡眠に作用するものを減らすと夜驚がなくなるという現象がさやにだけ起きるのがとても不思議です。
ネットで調べても、他にこんな例は見られないので。
本当は、東京都調布市にある飯田先生の病院に足を運べばよいのかもしれませんが、医師が処方する漢方薬はたいてい顆粒であることが予想できるので、6歳のさやに飲ませる大変さを考えたことと、自宅から遠すぎるということを理由に、市販の錠剤を試すことに至りました。
錠剤を半分に切る!
今現在は朝半錠の大柴胡湯を飲ませていますが、1週間のうち、4日間くらいは朝までぐっすり寝てくれています。
上の写真は大柴胡湯を半分に包丁で切ったものですが、包丁でうまく切るにはコツがいりました。
失敗すると、粉々に砕けてしまったりするので、力加減とか、包丁の刃があたる位置だとか、いろいろ試行錯誤して、コツがわかってきました。
最初は包丁を持つ手に軽く力を入れますが、筋のような切れ目が入ったら、もう少し力を加えると砕けずに切れました。(文章では伝え難い・・・)
包丁の刃のあてる位置ですが、刃の真ん中よりも少し持ち手よりの位置で切ると成功率が高い感じでした。
抑肝散も錠剤で販売されている!
飯田先生がほぼ90パーセントの自閉症の人に処方しているという大柴胡湯と抑肝散ですが、どちらもそれなりに効果はあると思いますが、さやの睡眠障害が頑固すぎて劇的な効き目と言い難いのが残念なところです。
前の記事にも書きましたが、抑肝散などは、さやに負の効果として働く覚醒の作用を除けば、日中に情緒の安定と素直な振る舞いをもたらす効果があったことは、感動的でした。
いつか、さやの体質が変わったりして、睡眠障害が改善するようなことがあったら、抑肝散はぜひとも再チャレンジしたいと思っています。
ちなみに、抑肝散も一元製薬から錠剤が出ています。
この記事では、参考程度に漢方薬のことを書きましたが、前回の記事にも書いたとおり、主治医の処方する薬が効いている方はそれでよいと思うのです。
私は漢方薬が西洋薬よりも優れていると思っているわけでもないし、我が家はロゼレムをやめて以降、他に飲んでいる薬もなかったので試してみただけです。
さやの主治医にも大柴胡湯を飲ませている旨は伝えていますが、「効かなかったらやめればいいし、少しでも効果を感じているのなら続けてみたら」と特に否定も肯定もされていません。
漢方に限らず、薬というのは人によって効いたり効かなかったり、まちまちなのは当然のことなので、効かないというのも飲んでみなければわからないし、その薬がさやにとってどのような効果をもたらすかを知ることができた点で、試してよかったと思っています。
関連記事(1):睡眠障害のある自閉症児(発達障害児)について(1)
関連記事(2):睡眠障害のある発達障害児について(2)